8月のある日。
家族の手術がある日でした。
手術の2日前に入院した家族。
入院当日は、一緒に入院の話など聞きましたが、手術前日の面会はできませんでした。
病院のコロナウィルス対策のためです。 

手術が始まる予定時刻の1時間半前に家族の病室を訪ね、話をしました。
しばらくして手術室に呼ばれ、家族は手術着に着替え、看護師さんに連れられて、私も一緒に、歩いて手術室前に行きました。
「頑張ってね。」
声をかけました。
そして家族は手術室へ向かっていきました。
振り返って手を振ったり、
「行ってくるね。」
と言ったりは全くなし…。

やっぱり、コロナウィルス対策のため、手術日の家族待機も一人のみと決まっていました。
家族控室は、窓にスクリーンがしてありました。
長いソファがいくつもあって、広かったです。
数名の方が一人ずつで長いソファに座っていました。
ソーシャルディスタンスは十分保てそうでしたが…

空が見たくて。

展望ラウンジに行きました。
展望ラウンジでひとり本を読んでいました。

「博士が愛した数式」

以前読んだことがありました。
好きだったお話ということ…
数って面白いなあ…と思ったことは覚えているのですが、細かい内容は忘れていて。
偶然見つけた、しまい込んでいた文庫本を読み始めていました。

手術を待つ間、この素敵な温かい物語が寄り添ってくれてよかったです。

そして、晴れていてよかった。

展望ラウンジから見えた空。
遠い海も見えました。

今、家族は退院して自宅で療養しております。